公益社団法人 化学工学会 材料・界面部会

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部会長より

 平成14年に発足した材料・界面部会は、機能性微粒子・晶析技術・塗布技術・ソフトマター工学の4分科会を持ち、部会員数や秋季大会発表件数では学会内最大クラスの部会となっています。従来からの材料の製造プロセス開発に加えて、現在ではカーボンニュートラルに資する材料創出やデータ駆動型の材料設計など、これからの社会変化にも対応した研究開発も重要な観点となっています。具体的な活動方針は、本部会のロードマップとしても示されおり、日本の研究開発力、生産力を高めるためにも今後はさらなる産学官が協働していくことが重要です。特に産業界からの多くの参画を歓迎しており、本部会の将来を担う学生会員、ジュニア会員諸氏の積極的な部会入会をお願いするとともに、現部会会員の皆様におかれましては、部会活動の推進にご協力いただきますようお願い申し上げます。

令和5年度・令和6年度部会長 小野努 (岡山大学)

分科会

 4つの分科会が、協力しながら、また独自性を発揮しながら、セミナーや討論会などの活動を行っています。

  • 塗布技術分科会…薄膜、コーティング、複合膜、roll to roll
  • 晶析技術分科会…核形成、結晶多形、溶解度、粒径・形態制御
  • 機能性微粒子分科会…マイクロカプセル、ミクロスフィア、単分散、コロイド粒子
  • ソフトマター工学分科会…ソフトマテリアル、微細構造・相制御、秩序化、成形加工、レオロジー、刺激応答機能

秋季大会シンポ

 部会の全体シンポ(口頭およびポスター)と分科会主催シンポがあり、プロセッシングを機軸とした機能性材料の合成、微細構造制御、機能性発現の解明、新規プロセッシングの提案、それらに関わる界面現象などが活発に議論されています。 また、当部会は化学工学会他部会との部会横断型シンポジウム数も非常に多く、活発な連携を行っています。一方、ポスターセッションでは優秀ポスター賞も設定して発表者の動機付けを高め、その後に交流会を行って若手研究者の交流を促進しています。

日韓シンポ

 九州大学・福岡大学名誉教授 諸岡成治先生のご尽力による日韓2国間の交流事業を材料・界面部会が引き継ぎ、隔年に日韓相互でシンポジウムを開催しており、令和4年11月の金沢での開催をもって第14回を迎えました。互いの最先端研究の交流とともに、KIChEにおけるキーパーソンの知己を得る貴重な場ともなっています。次回は韓国での開催を予定しております。是非多数のご参加をお願いします。

材料化学システム工学討論会

 様々な材料について、素材の合成、集積化による物性の発現から、材料のアプリケーションに至るまでを対象に、材料の高機能化を探ろうとする企画で、従前の「高分子俯瞰シンポジウム」を発展させ、平成21年から開催されています。本討論会の特徴は、若手の部会員によって企画・運営されることで、質疑応答を含めた1件あたりの発表時間が一般講演では1.5~2 時間、学生講演では40分~1時間程度と長く取られていることも相俟って、活発な議論が毎年繰り広げられています。特に博士後期課程学生には将来の血肉となる濃密な議論を期待します。次回の主幹事は近畿大学の杉目恒志氏、副幹事は東京工業大学の菅原勇貴氏となっており、2024年度の夏頃に開催予定です。

今後の部会運営方針

  • 上記のどの行事を見ても、適度の改変・変遷や企画内容の向上がなされており、良好に運営されていると考えております。
  • 化学工学会は工学研究者にとって主たる基幹学会たるべき存在です。しかし、そのサイズと守備範囲の広さゆえに、フットワークの軽さに関しては難があります。これを補う存在として部会があり、技術的交流、人的交流を円滑に行う重要な母体であります。部会には限られているとはいえ独自の予算があります。これを最大限活用することが部会長としての使命であると考えております。なお、最近は学生、ひいては若手研究者の他流試合(専門学会以外でのプレゼン&ディスカッション)が減っていることを強く感じます。部会を通じて、若手研究者育成の一助になれば、と強く感じております。是非皆様に新企画を御発案いただき、その意義・妥当性・可能性などについて、今後の幹事会をはじめ種々の場でご意見を頂戴できれば有り難いと考えている次第です
  • 産学連携の重要性は、実学としての化学工学の使命を考えれば論を俟ちません。産学が共同して、製造工程で生じる複雑な現象から新しい学理を抽出し、さらにその学理を工程へフィードバックする有機的なサイクルを持続することができれば、本部会が設立当初より目指している「プロセッシングによる材料機能・構造制御」へ繋がるものと思われます。分科会ベースではそうした活動が継続的に行われているところですが、自社技術を学会等で開示することへの制約が益々増えつつある昨今の情勢を鑑みると、むしろ分野や業種を超えた広い視野に立ち、材料プロセッシングのあるべき姿を議論できる場が望まれるところです。本部会では、多くの分科会に共通する学術・技術・基礎現象を総合的に議論することを目的とした共通基盤シンポジウムをこれまで行っておりましたが、これを深化させ、将来の方向性が必ずしも定まっていない新しいプロセス技術を積極的に取り上げたシンポジウム企画を、企業部会幹事のご協力を得ながら進めて参りたいと思います。こうした企画そのものが、またその中で培われる異分野、異業種間の人脈が、産業界に貢献できる連携のあり方の一つに他なりません。

 今後のさらなる発展のために、より多くの皆様に部会へ加入をいただき、各分科会にあっては独自性と協調性をバランスさせつつ活動いただき、また、会員各位におかれましては、部会活動により一層のご協力を賜りますようお願い申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。

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部会の歴史

平成14年2月15日の理事会にて承認され、材料・界面部部会が正式に設立された。発足時には、機能性界面研究会、機能性微粒子研究会、ゲルテクノロジー研究会、晶析技術研究会、塗布技術研究会、微細構造研究会の6研究会が分科会を結成し、部会という基盤を共有した活動が平成14年(2002年)より始まった。

その後、高分子機能化分科会、機能性界面分科会と微細構造分科会が統合した自己組織化研究会が発足した。その後ゲルテクノロジー分科会と自己組織化分科会の統合によりソフトマター工学分科会が発足し、2019年現在以下の4つの分科会で構成されている。

  • 機能性微粒子
  • 晶析技術
  • 塗布技術
  • ソフトマター工学

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ロードマップ

1.目的

化学工学が関与する材料・界面関連分野の学会代表として、当該研究分野に関する知識の交換、情報の提供など を行う場となることにより、当該研究分野のさらなる進歩普及を図り、もって国内外の学術の発展と産業の発展 に寄与することを目的とする。

2.目的達成のための基本方針

前項の目的達成に向け、下記の基本方針に則り、部会活動を推進してゆく。

  1. 材料・界面分野における学術及び技術の向上に貢献する
  2. 材料・界面分野における化学工学の深化と体系化を目指す
  3. 製造分野における生産活動の支援を行う
  4. 産学連携事業を推進する
  5. 他部会、他学会との交流を促進する
  6. 分科会の活動を支援する
  7. 国際交流に貢献する

3.背景

人類の歴史は、「材料の創製と利用」の歴史であったと言っても過言ではない。特に、20世紀の後半は科学の発展と共に、飛躍的に多くの材料、特に化学材料が生み出され、化学工学もこれらの材料の製造プロセス開発に大きく貢献してきた。ここでの化学工学の役割は、主にスケールメリットを利用したバルク材料の大量生産で、これらの物質は確実に人類を豊かにしてきたが、一方で環境汚染の問題も創出した。今後、持続可能で、かつ豊 かな社会の実現のためには、生活、環境、エネルギー、医療、ITなど、目的に特化した高機能材料の創製が重要となり、「物質の機能を最大限に生かし、かつ環境負荷の小さいプロセス開発」が必要不可欠となる。高機能性 材料の創製には、新規な分子構造による従来型の「合成による方法」と、「自己組織化能のような分子の特異性」 、「物質の表面ミクロ特性」、「非平衡場」などの合成プロセスへの導入による「構造制御材料」の創出が考えられる。前者の創製法では既に何百万種とも言われる化学物質が合成されており、今後、飛躍的発展を期待するのは難しく、後者の材料創製法に期待が寄せられている。これはプロセッシングによる材料創製であり、化学工学が長年培ってきた種々の手法が十二分に生かせる可能性が高い材料創製分野と考えられ、本部会に「次世代高機能性材料へのブレークスルー」が期待されていると認識している。
構造制御材料の特徴は、界面積が大きく、界面特性が重要な役割を担っている点にあり、「材料」および「界面」 の両学問体系の「深化」と両者の「融合」が必要である。そこで、本部会では下記のような各分野について分科会形式による運営によりその専門性を高めると共に、部会全体として、支部、他部会、さらには日本化学会との共同企画、日韓や日中などの国際シンポのほか、AIChE、ACS、MRSなどとの連携、分科会横断的な共通基盤技術シンポジウム(Nucleation Symposium Series)、講演会等の企画などを重ねながら、会員各位ならびに分科会間の情報交換を密にし、「ナノオーダで制御されたプロセッシングによる高機能構造制御材料の創製」の横断的な体系化を目指すものである。

  1. ゲル分野
  2. 晶析分野
  3. 機能性微粒子分野
  4. 塗布プロセス分野
  5. 界面微細構造分野
  6. 高分子材料分野

4.目標達成のためのアクションプラン

7つの基本方針に沿って、それぞれ以下に示す具体的アクションプランを3~5年間で実行に移してゆく。

4-1 材料・界面分野における学術及び技術の向上への貢献

○秋季大会における部会シンポジウムの充実

  • 全体シンポに加えて、分科会個別領域にとどまらない、時流を得たサブシンポテーマの企画
  • 時間配分の工夫による討論の活発化(例:発表12分+質疑8分)
  • ポスターセッションによる、深く、かつ、気さくな討論の場の提供

○他部会、他学会関連部会との合同企画シンポジウムの開催

(詳細は4-5)項参照)

○産学連携シンポジウムの開催

(詳細は4-4)項参照)

○産業・社会に対する情報発信・広報活動

  • 会員メールアドレスの随時把握と情報のメール配信およびホームページによる広報
  • ワークショップ、シンポジウムの開催

○産業や社会に対する学術団体の専門部会としての活動

  • 基盤技術発展に貢献する新しい研究・技術領域のコンセプト提案
  • 「学」主体の、先導的な研究課題の明確化と、それに基づくプロジェクト提案:科研費特定領域、振興調整費など
  • 先導的な技術開発課題の明確化と産学連携プロジェクト提案:NEDOプロジェクト、コンソーシアム提案など (詳細は4)項参照)
4-1 材料・界面分野における化学工学の深化と体系化

○材料・界面化学工学の深化

  • 材料・界面分野における「共通基盤技術」の明確化と定期的シンポジウム開催
  • 各専門分科会領域におけるシンポジウムシリーズ等の刊行支援

○材料・界面化学工学の新体系化

  • プロセスによる構造制御、機能制御を目指した新たな 材料・界面化学工学の体系化
  • 体系化に基づく、技術書、教科書、啓蒙書等の出版
4-3 製造分野における生産活動支援

○生産活動情報の共有

生産活動における課題・ニーズと、学界の技術・シーズを共有する場を設け、実効的な生産活動支援手段を探る。

○技術サポート

インターネット上にクローズドな「技術相談コーナー」を開設し、産側からの相談に対する技術アドバイスを提供する オンライン技術支援機能を創設する。

4-4 産学連携事業を推進する

○ 産学連携の可能性の拡大

年会、秋季大会等において、産学連携にフォーカスしたシンポジウムを組織して、産学連携の可能性を拡げる。これらの活動の中から、新たなコンセプトに基づく産学連携のあり方を探る。

○産学連携プロジェクトの提案と運営

材料・界面分野における先導的な研究課題、技術開発課題の絞り込みと、これに基づく競争的基金への提案を行う。採択された場合には運営の中核を担う。

4-5 他部会、他学会、支部との連携・交流を促進する

○ 日本化学会、コロイドおよび界面化学部会との連携

材料・界面部会と共通あるいは類縁の課題を扱っている日本化学会コロイドおよび界面化学部会との交流、連携を行う。 まず、化学会部会の主催するコロイド・界面化学討論会において、化工部会関係者が企画するシンポジウムを提案し、交流を行う。また、材料・界面部会の主催するシンポジウム等において、化学会部会の研究者による講演等を積極的に行う。 さらに、コロキウムの共催、共同研究の推進の可能性について探る。

○ 他部会との連携

材料・界面部会と共通性の高い課題を扱っている他の部会との交流、連携を行う。活発かつ機動的な連携を目指し、まずは分科会レベルでの連携に取り組む。これまでに、高分子機能化分科会を通じてエネルギー部会との秋季大会での合同シンポ(03年9月)を行った事例、および、当部会機能性微粒子分科会が粒子・流体部会プロセス部会粉体プロセス分科会と合同セミナー(03年11月)を行った事例がある。

○ 支部との連携

各支部に所属する部会幹事の企画により、支部との連携企画開催に取り組む。これまでに、九州支部と合同企画(04年11月) を行った事例がある。

4-6 分科会の活動を支援する

  • 分科会の国際交流活動への支援
  • 分科会所属の部会特別会員について、全国大会での発表の便宜の検討
  • 分科会活動の部会員への積極広報
  • 部会ホームページの早期立ち上げと分科会ページの設置orリンク設定
4-7 国際交流に貢献する

 世界的波及効果の高い研究と技術を世界に発信し、これまでに国際的に確固たる地位を確立してきた。従来の欧米中心であった視点を、今後はアジアにも向け、新たな潮流を生み出す独創的・革新的な研究成果を発信する。このため、以下のようなシンポジウムを開催あるいは協賛し、技術だけでなく人的な交流を図ることで双方向国際交流に貢献する

○ 日韓材料・界面シンポジウムの開催支援

韓国化学工学会との合同シンポジウムを継承し、新たに本部会が窓口となり韓国化学工学会材料部会および高分子部会との協賛で2003年、2004年に開催した。

○ 日中化学工学シンポジウムにおける材料・界面セッションの開催支援

2002年に開催された中国化学工学会とのシンポジウムにて、両国の材料・界面関係の研究者が交流した。
このほかに、部会傘下の分科会による国際シンポジウムの開催支援や台湾化学工学会の材料・界面分野とのジョイントシンポジウムを開催支援する。

5.化学工学会における位置づけ(役割)

 当部会は、Vision2011の提言に基づいて創設された13部会の内、展開技術分野の一分野として位置付けられており、学会が行う学会、講演会、出版、企画、教育、国際交流等の諸企画、諸事業のうち、材料界面に関係する事業には全面的に協力し、積極的な提言を行ってゆく。また、他の12部会、7支部とも緊密な連携を保ち、界面材料関連の問題に関しては勿論のこと、境界領域の問題に関しても共催事業、協賛事業を積極的に推進する。

6.運営体制(令和五年度現在)

  部会長  1名
  副部会長 4名(各専門分野より)
  幹事  26名(役割・分担は幹事会で適宜に機動的に組み替えている)
  監事   2名
  事務局  1名
以上

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自己評価書(平成22年度〜29年度)

当部会の平成22年度から29年度の活動についての自己評価書および関連資料が以下のリンクよりダウンロードできます。

また,平成14年度から21年度の活動についての自己評価書が以下のリンクよりダウンロードできます。


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規約

(総則)

第1条 本部会は(社)化学工学会の部会規約により設置され「材料・界面部会」(英文名: Division of Materials and Interfaces)と称する。

(目的)

第2条 本部会は化学工学会の材料・界面分野に係わる専門分野の代表機関として、材料や界面の関わる諸 課題について、横断的に学術および技術の向上、交流を促進し、産官学間の基盤研究、応用研究開発の有機的な 連携を図ることを目的とする。材料や界面が関わる系は、化学関連分野のほとんど全ての生産活動に関与する。 本部会では、このような複雑多岐にわたる系の基礎的学問に立脚して、最先端の応用分野まで網羅した研究活動 と、現場における生産活動の支援を行う。

(事業)

第3条 本部会の目的を達成するために次の事業を行う。

  1. 材料、界面に関連する研究
  2. 上記の研究に関連する講演会、講習会、見学会の開催
  3. 調査および資料、情報の収集・整備と交換
  4. 国際会議、化学工学会シンポジウムの開催と支援
  5. その他、本会の目的の達成に必要な事業

(構成)

第4条 本部会は次の各号の会員で構成される。

  1. 部会個人会員:正会員の内、本部会に参加を希望した会員
  2. 部会法人会員:維持会員及び特別会員の内、本部会に参加を希望した会員であり、事務所・研究所別に登録できるものとする。
  3. 部会学生会員:学生会員の内、本部会に参加を希望した会員
  4. 個人賛助会員:化学工学会の会員以外で本部会に参加を希望した個人
     A:維持会員及び特別会員に所属する個人
     B:維持会員及び特別会員に所属しない個人
  5. 法人賛助会員:化学工学会の会員以外で本部会に参加を希望した法人

 2. 個人賛助会員A、Bおよび法人賛助会員は化学工学会会員に準じて取り扱われる。賛助会員には化学工学会への入会を勧誘するものとする。

(入会および退会)

第5条 入会および退会は書面または電子メールにより本部会の事務局に提出するものとする。

 2.会費の滞納が2年以上におよぶ会員は会員の資格を放棄したものとみなす。

(役員およびその任期)

第6条 本部会に次の役員をおくことができる。
部会長、副部会長、部会幹事、部会監事。

 2.役員の任期は原則として2年間とし、部会長を除き再任を妨げない。

 3.任期半ばで交代した場合の残任期間はその者の任期に含めない。

(役員の任務)

第7条 部会長は本部会を代表し、会務を総括する。

 2.副部会長は、部会長を補佐し円滑な会務の遂行を行う。

 3.部会長に不測の事態あるときは副部会長の中から部会幹事が部会長代行を選出する。

 4.部会幹事は、本会の運営および諸行事の企画立案およびその業務を執行し、総務、会計、企画を分担する。 別途定める分科会正副代表者は副部会長または部会幹事を兼任する。

 5.部会監事は部会の財政および業務を監査する。

(役員の選出)

第8条 部会長は、本部会の推薦により、化学工学会理事会の議をもって化学工学会会長が委嘱する。

 2.化学工学会理事会への部会長推薦者は、部会会員の推薦をもとに部会幹事会で候補者を推薦の上、部会総会にて承認する。

 3.副部会長、部会幹事、部会監事は部会長が任命し、部会総会において承認する。

(役員の罷免)

第9条 本部会にとって著しく不利益が生じるもしくは本会にふさわしくないと判断された場合は、会員からの申し出により、 当該役員の処遇について部会監事を含めた部会幹事会で協議したのち、正当な根拠とともに部会総会に審議を諮る。

(分科会の設置)

第10条 本部会の目的を達成するために分科会を設置することができる。

 2.分科会の設置および改廃は部会幹事会で協議の上、部会総会の承認により決定する。

 3.分科会の活動については別途、細則で規程する。

(部会幹事会)

第11条 部会幹事会は部会長、副部会長、部会監事、部会幹事により構成し、必要に応じて部会長が招集する。

 2.部会幹事会は、出席者の過半数の賛成で議決するものとする。部会幹事会は次の事項を行う。

  1. 部会の設置および継続に関する事務
  2. 化学工学会との連携
  3. 事業計画、予算および決算案の立案
  4. 分科会正副代表(および分科会幹事)の承認
  5. 次期部会長候補者の選出
  6. その他、本部会の運営と事業の執行に必要な事項

(総会)

第12条 部会総会は年1回行い、部会長がこれを召集する。ただし、部会長は必要に応じて臨時総会を招集できるものとする。

 2.部会総会出席者の過半数の賛成をもって総会での議決を有効とする。

 3.部会総会では次の事項を行う。

  1. 事業、会務報告とその承認
  2. 事業計画、予算の承認
  3. 役員の改選
  4. 規約の改正および細則の制定と改正
  5. その他、本部会に必要な事項の決定

(部会事務局)

第13条 部会事務局は部会長の下で、部会の事務一般を掌握する。部会事務局員の任命は、部会幹事会の議を経て部会長が行う。

(会計)

第14条 経理は化学工学会との連結決算とする。

 2.本部会の運営に必要な経費は、会費、本部からの部会交付金、寄付金、受託研究費および事業収入をもってこれにあてる。

 3.部会活動で収益が出た場合、当期収支差益の10%を本部へ部会関連事務経費・管理費として納める。ただし、収支計算においては前期繰越金を収入サイドに算入しない。

 4.受託研究の受け入れに伴う経費の扱いは、その事実が発生した時点で、幹事会で協議の上決定する。受託研究の余剰金は次年度へ繰り越しできる。

(会費)

第15条 会費は次のように定める。

  1. 部会個人会員および部会学生会員:化学工学会本部の指針に従うものとし、部会としての会費設定および徴収は行わない。
  2. 部会法人会員:年額1口25,000円、1口以上
  3. 個人賛助会員A:年会費2,000円
    (化学工学会非会員):年会費3,000円
  4. 法人賛助会員:年額1口25,000円、1口以上
    ただし、分科会への参加を前提とする会員には、分科会独自の会費を設定できる。

(事務局の業務)

第16条 部会事務局は下記の事項を所掌する。

  1. 会員の入退会手続きと会員名簿の管理
  2. 部会法人会員、個人賛助会員A、個人賛助会員B及び法人賛助会員の会費請求と会費徴収。ただし、分科会への参加を前提とする会員については分科会がこれを行う。
  3. 部会交付金の受け入れ
  4. 部会経理事務全般および分科会への部会会費の分配
  5. 会員への部会情報の伝達
  6. 部会を代表する渉外業務
  7. その他の庶務一般

(監事)

第17条 部会監事は部会の会計監査を行う。

(細則)

第18条 本規約の実施に関して必要が生じた場合には細則を定めることができる。細則の制定と改正は部会総会の承認をもって成立する。

(規約の改正)

第19条 本規約は、部会総会の承認をもって改正することができる。

(付則)

第20条 本規約は2003年3月1日より施行する。

 2.2011年9月14日 一部改訂

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設立趣意書

人類の歴史は、材料の創製と利用の歴史であったと言っても過言ではない。特に、20世紀の後半は科学の発展と共に、 飛躍的に多くの材料、特に化学材料が生み出され、化学工学もこれらの製造プロセスの開発に大きく貢献してきた。 ここでの化学工学の役割は、主にスケールメリットを利用したバルク材料の大量生産であった。これらの物質は確実に 人類を豊かにしてきたが、一方で環境汚染の問題も創出した。今後の持続可能な社会の実現のためには、物質の機能を 最大限に生かした機能性の高い材料の創製が必要不可欠である。これらの高機能性材料の創製には、新規な分子構造に よる従来型の「合成」による方法と、自己組織化能のような分子の特異性、物質の界面ミクロ特性、非平衡場などを 合成プロセスに導入することによる方法が考えられる。前者の創製法は何百万種とも言われる化学物質が既に合成 されている現在、今後、飛躍的発展を期待するのは難しく、後者の材料創製法に期待が寄せられている。これは プロセッシングによる材料創製であり、化学工学が長年培ってきた種々の手法が十二分に生かせる材料創製分野である。
化学工学会では、材料の製造プロセスの設計・制御に関する研究は数多く存在してきたが、材料創製、材料物性に焦点を あてた研究並びに研究会が比較的少ないのが現状である。しかし、材料が国家産業技術戦略の重点課題に組み込まれ、 上記のようなプロセッシングによる材料創製が重要性を増す状況において、化学工学会に材料関連の部会を設置することは 必要不可欠と考えられる。また、材料のナノ特性が重要視されている現在、物質の界面特性を十分に利用することが 材料創製の重要な柱に成ることが予想され、次世代高機能性材料へのブレークスルーには「材料」および「界面」の 両学問体系からの寄与が欠かせない。このような状況に鑑み、化学工学会に新たに設置する部会は、その名称を 材料・界面部会とするのが適当であり、両者の融合がプロセッシングによる材料創製の発展に大きく貢献することが予想される。 従って本部会は、材料、界面に関連した研究者、技術者、並びに関連特別研究会、研究会が中心となり、次世代の 高機能性材料の創製、並びにその製造プロセスへの貢献、並びに材料、界面の研究分野の発展にも寄与することを目指して、 その設立を図りたい。
本部会に関連する特別研究会、研究会としては、ゲル、CVD、晶析、機能性微粒子、塗布、界面分子集合体、微細構造などが 挙げられる。これらの特別研究会,研究会は,部会に移行したあとも分科会を結成するなどして,従来の活動を続けることが 保証されるが,本部会の設立により,それらの間の研究交流は従来より一層促進されることが期待される。従って,これらの 研究会の会員はもとより,本部会の趣旨に関心のある多くの方々の参加を広く呼びかけたい。なお従来の化学工学会には、 高分子を中心としたバルク・機能性材料に関する研究会が存在しなかったが、本部会におけるこの分野の重要性に鑑み、 本分野の研究者・技術者の積極的な参加も特に求めたい。

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